海外で子どもを育てていく上で、学校の教育についてはいろいろ考える機会があります。
たいていの親の皆さんは、帰国する予定があってもなくても、子どもたちが自活していけるような教育を受けられることを意識されていると思います。
海外の学校にもいろいろありますが、マレーシアのインターナショナルスクールに焦点を当てて考えているときに、必ず見聞きする単語は、国際バカロレア。一体何なのでしょうか。
意味がよくわからないまま、ただ単に世間でよく評価されているからという理由で、夢中で追いかけるわけにはいかないと思っている親御さんもいらっしゃると思います。
国際バカロレアについて述べる前に、マレーシアで受けられる教育のカリキュラム(プログラム)を整理しておきます。
インターナショナルスクールごとのプログラムの違い
マレーシアのインターナショナル校の教育プログラムについて並べてみました。
マレーシアにあるスクールの多くはイギリス式ですが、国際バカロレアの教育プログラムを取り入れている学校も増えつつあります。
どのコースを通って、どの辺りまでカリキュラムを追いかけるのかを、各家庭で判断する必要があります。
国際バカロレアとは
ネット上にはたくさんの情報がありますが、『国際バカロレア』という単語には、主に3種類の使われ方があります。
- 教育プログラム
- 国際バカロレア ディプロマ試験
- 上の二つを施す非営利団体のこと
Wikipediaでは以下の定義があります。
国際バカロレア(こくさいバカロレア、英: International Baccalaureate)とは、1968年にスイスのジュネーブで設立された非営利団体である。同団体による大学入学資格試験、教育プログラムも指すようになった。
Wikipedia
国際バカロレアの教育プログラムは、大学入学資格(IBDP)のためのもの、と捉える人が多いようです。
教育プログラムとしての国際バカロレア
「国際的な視野を持つ人格を育成する」という理念のもとカリキュラムが組まれています。
安倍政権下で行われているアベノミクスの「成長戦略」の中に、この国際バカロレアの認定校を2018年までに現在の30校ほどから200校まで増やすという目標を掲げています。
後述するディプロマ資格が最大のメリットと言われていますが、教育プログラムとしてのメリットもあります。
IBを取得するメリット・デメリットって何?という記事に詳しく書かれていました。忍耐力や最後まで諦めずにやり抜く力、責任感などが身につくとのことでした。
この記事の筆者は、高校生のときにチャレンジしたそうです。『デメリットを考慮してもなお、IBを勉強してよかったと心から思っています。』とのことでした。
カリキュラムを真面目に受けていくのは結構過酷だと言われています。
時間・労力・金銭の負担があります。どこに向かって行っているのか、また行き着く先についても理解しておく必要があります。
上を目指そうとすればキリがない💦ので、子どもが社会生活が送れる程度に学びを得られ、自活できるように、しかも無理なくサポートできる方法を見極める必要があります。
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卒業資格がない❗️❓
日本と違い、海外の小学・中学(高校)の卒業時には資格らしいものが自動的に与えられません。履修したからといって、かならずしも習得したとは言えません。履修と習得は別の扱いです。
どこの学校に入学したか(あるいは卒業したか)、ではなく、どんな資格(能力)があるかということが重要視されています。
つまり、
『○○学校で教育を受けた』という履修の事実だけでは、何かの証明にはならない、ということです。
日本だと名門校に入学できただけでも評価されますが、海外では入校でも修了でもなく、共通資格試験でどれほどの成績を収めたか、ということで評価されることになっています。
資格としてのバカロレア
国際バカロレアの教育課程の最終部分は、ディプロマ取得のプログラムを経て、ディプロマ試験を受けることになります。
ヨーロッパの多くの大学は、この試験の結果を入学申し込みの規準として認めています。
ディプロマ取得のプログラムと、実際のディプロマの取得は、かなりきついと言われています。過酷な2年という実体験をよく目にします。(3年かかった人も)
資格証明はDP
ディプロマを取得しないと、国際バカロレアの意味がない、という人もいます。国際バカロレアの教育を身につけた証明はこの資格試験の結果だけだからです。
国際バカロレアの教育課程には、
- PYP(初等教育)
- MYP(中等教育)
- DP(ディプロマ)
- CP(大学に進学しない人用のキャリア支援)
があります。
多くの人にとって、国際バカロレアを選ぶ最大の理由は、3番目に挙げたDPを受けて良い成績の資格を取ることです。しかし後述のとおり、受講生の半分以下が資格試験を受けずに途中で路線変更している統計があります。
ディプロマ資格は絶対評価であるため、周りと競う日本での受験勉強とは異なるそうです。
その分「自分との戦い」であるため、最後まで自分で自分をコントロールし続ける必要があります。
ディプロマに向かないと思われる場合は、Year9(中学3年生)のときに、別の資格証明としてGCSEかアメリカ式のSATの取得が勧められることがあるようです。
それならはじめからバカロレアではないコースを通っていた方が良いのかもしれません…。
ちなみに同時に複数の資格対策するのは無理だと言われています(それほど過酷な勉強なのでしょうか)
中卒時点で進路が絞られてくる(絞っていかなければいけない)ということですね。
国際バカロレアのカリキュラムを受けておきながらDPを受けないなら、何の資格証明も得られず『意味がない』『もったいない』と思われることもあります。
編入も可能
国際バカロレアのディプロマ取得コースには、別の教育プログラムを履修した人も編入可能です。
海外での学校選びをする場合には、提供しているカリキュラムの内容と行き先について、ある程度理解をしておく必要がありそうです。
小学生の留学先としてのマレーシア
マレーシアで受けた後、日本で続きを受けることも可能です。バカロレアの行き着くところはDPで、その教育課程の最終部分は過酷であるということも覚えておく必要があります。
このコースを途中下車したり、帰国後に日本のバカロレア認定校に入ったり、と路線は変更できるので、選択肢がかなりせばまるというわけではなさそうです。
進路はいつでも変更可能
国際バカロレアのカリキュラムを受けておきながら、DPを受けないという選択肢もあります。そうであったとしても、短期間受けた国際バカロレアの教育プログラムが子どもの将来にどのように役立つかを知っておくなら、どの年齢まで受けさせるかを判断するのに役立つと思います。
単に、国際感覚をつける、英語力を身につけるだけの場合は、国際バカロレアにこだわる必要はないとも言えます。
マレーシアのインターナショナル校と国際バカロレアのまとめ
- マレーシアにあるスクールの多くはイギリス式ですが、国際バカロレアの教育プログラムを取り入れている学校も増えつつあります。
- 目指せばキリはないくらい、膨大な教育コスト(労力・費用・時間)がかかります。社会生活が送れるように無理なくサポートできる体制が必要です。
- 国際バカロレアでなくても、国際感覚や英語力を身につけることはできます。
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