最近では、海外での銀行口座の開設が難しくなってきました。
数年前までは、旅行がてら銀行の口座を開設したり、ビザさえあれば銀行が独自の判断で口座を開設することを許可していました。
海外での銀行口座の開設が難しくなった理由は、世界各国の口座情報を自動的に交換して資産をガラス張りにする「CRS」と呼ばれる共通報告基準が運用されることになったからです。
CRSでどんなことが実現するのか
田楠(たくす)家の租税回避行為が解明されるドラマ
日本の居住者のCRS用の提出番号はマイナンバーでいいです。
国税庁が資産隠しをあぶり出すための戦い💦を架空のドラマで描写しています。
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海外の資産が捕捉されます
これまで海外資産については、納税者による自主的な申告がない限り税務当局による捕捉が難しいので、本来申告すべき所得税や相続税などの税の徴収漏れが生じてました。
CRS制度導入後は日本居住者の海外金融資産の情報は日本の税務当局に捕捉されることとなる。仮に税務調査により所得税や相続税等の追徴が生じる場合は、ペナルティである加算税の加重措置が適用されます。
2018年9月の初回年度のCRSによって交換される情報
2017年年度分と2018年年度分の収入情報と残高情報。
CRS制度導入前
日本の居住者で海外に口座を持っている人を例に挙げています。
CRS制度導入後
日本の居住者で海外に口座を持っている人を例に挙げています。
下の図の点線の部分は、CRS制度によって紐づけられていることを表しています。日本の居住者と見なされる人の情報については、マイナンバーをキーに、本人に結びついた資産全てを芋づる式に取得されることになります。
資産を隠し持つことが難しくなりそうですね。
富裕層ではないものの海外に口座がある場合は?
2017年1月1日以前3年以内に払い出しなどの取引がなく、口座残高が1,000㌦以下などの要件を満たす口座は、休眠口座と見なされ、この情報は交換されません。
しかし、2017年1月1日以降に新規開設された口座は、個人・法人ともに金額基準がなく、全ての口座が情報交換の対象となります。
海外の既存の口座は❓
去年から海外の金融機関からマイナンバーの提出を求めるレター等が届くようになっています。
提出しない場合は口座の強制的な閉鎖などの措置が取られることもあるようです。
日本の居住者であっても、日本の既存の口座が順次対応していくことが予想されます。
現に、海外送金をする際にもマイナンバーの登録が義務付けている銀行が増えています。
今後すべての銀行で、口座と資金の流れとマイナンバーが把握する必要が生じると予想できます。
無視するなら口座は閉鎖されます
日本からの海外送金については
現時点でマイナンバー無しで、まだ海外送金できる銀行があります。
1日の送金限度額が低いものの以下の銀行なら、今のところマイナンバーなしで送金が可能です。
- 楽天銀行
- 新生銀行
- 三井住友銀行
- SMBC信託銀行
- ゆうちょ銀行
- 三菱UFJ銀行
- りそな銀行
海外生活が長い人が、日本からの海外送金を必要とする場合は?
日本の居住者として何らかのサービスを受ける場合は、今後マイナンバーがどうしても必要となることが予想されます。
年金生活の方も
マイナンバーを持っていない人や、日本の住民票を抜いた人、日本からの送金が必要な人は、以下の4つをすべきです。
- 日本に一時帰国し、マイナンバー番号を入手する。住民票を入れた後、3週間くらいかかる
- 銀行にマイナンバー番号を提出する(日本、海外ともに)
- 日本に済まない場合、日本の非居住者でも利用できる銀行の口座を新しく作っておく
- 1~3が終わり今の居住地に戻った後、「海外送金サービス」もしくは「仮想通貨での海外送金」を行う練習
ちなみに、住民票を抜いたからといって、国税庁は日本の非居住者とは見なさない場合があるようです。
日本の居住者は、日本への納税義務がありますね。
非対象国の口座をもったり、居住者になったり
タイ、カンボジア、台湾などはまだCRSの対象になっていないようです。
『台湾やタイ、カンボジアなどはCRSに参加しないので、それらの金融機関については情報共有の対象外。
資産を移せばバレないし、居住者になってしまえば、CRSに情報を共有されることを回避できる』へー
/どんなに隠しても金持ちの海外資産が国税にバレる新制度の中身とは?https://t.co/6QQbv6xk4q
— ニシノカズ😂 (@nishinokazu) 2018年2月18日
いつかは対象になるかもしれませんが…。
また、香港では、タクシー会社を経営する、という手法でCRSの網をかいくぐる方法があると言われています。
資産の行方を追う人と、逃げる人🏃♂️💨
海外への送金は?
送金の情報は今の所CRSの対象になっていないようですが、今後は変わる可能性があります。
仮想通貨取引所、海外送金サービスなど金融庁が管轄する様々なサービスの取扱業者には、利用者のマイナンバーを登録させることが義務付けられています。資金の流れが一層把握されることになります。
今後、租税回避は1円も許されない!ということですね。
富裕層の海外口座丸見えのまとめ
- 2018年9月からCRS情報の交換が始まります。非富裕層もその影響を受け、口座の開設や海外送金が簡単ではなくなります。
- 海外の銀行口座の開設が難しくなっている背景にCRSの運用が関係しているようです。
- 日本の居住者が提出するCRS用の資料はマイナンバーで大丈夫です。
- CRSの仕組みを使うと、税務当局は納税者の資産を把握しやすくなります。ガラス張り✨
- 日本の銀行や送金サービス、仮想通貨取引所もマイナンバーによる資産と流れの捕捉ができるようになるはずです。バックには国税庁です。
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