アスペルガー症候群の特性のひとつに自分とは違う考えをまず否定することがあります。
例えば…
もともと計画している行き先が変わった場合は、文句をひとしきり言い続けます。かといって置いていかれることは望まないのです。実は新しい計画の方が嬉しい、ということも(本当は)あるのです。
この反応は、
『急に予定が変更されて、自分が想像の中に描いていた状態にとどまりたいから(防衛本能かも)、否定的に指摘しようとしてしまう』
ものです。
本当に改められた予定が嫌だというのではなく、頭の中でパニックを起こしてしまい、どう対処していいのかが分からない状態になっているようです。
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具体例を挙げてみます
否定的な言動
叱られた場合は
何か問題を指摘して叱るとすれば、
『違う❗️』
まず否定。否定の否定から始まる長々とした説明が必要になります。
選択の仕方は
おやつがいくつかあり、そのうちのひとつを渡すと
『あっちのほうがが良かった……』
と不満。
どちらでもいいとしても、必ず否定から入ります。
前に進めなくなる場合
思いついたことをすぐにやろうとして叶わない場合、止められた時はかんしゃく火山が爆発。
『昨日描いていた絵は?』
『ごめん、片付けていなかったから捨てちゃった』。
『ギャワーン(号泣)』。
褒められたときにもパニック
自分を肯定することが難しいのです。
『可愛い服だね。ステキだよ!』と褒められると、
『どうせ私はいつも可愛くいないから。いつもの私はダメってことでしょ!』と。
『上手に話せたね(説明できたね)』と褒められると、
なんの反応も示さず、そそくさと逃げます🏃🏻🌬
上に挙げたのはまだ分かりやすいパターン。もっと分かりにくいことや、マナーの必要な場面、大切な人と過ごしている時でも発生します😣
このままだと
かなり難しい子育てが割り当てられたと圧倒されてしまいます😵
コミュニケーション不全から、信頼関係や愛情の絆が断ち切れそうになることも。
周囲の『礼儀をきちんと教えるのは、親の務めだよ』という視線がイタく痛く感じます😭
日本では特に難しい
日本は和をもって貴しという文化背景があります。人と同じでない人を個性と捉えないところがあります。
みんな同じ、無難がいい。という、同調圧力がいたるところにみられます。
また日本の場合には『空気を読む』『察する』という暗黙のルールがあります。このため曖昧な表現や言葉を濁すことが多いです。
アスペルガーな人は、はっきり言わないと分からないために、色々と苦労することになります。。
お仕事も
以前はあまりコミュニケーションを必要とせずにもくもくと作業していればよかったものが、第三次産業がほとんどを占めている日本の職場ではコミュニケーション能力が高い人だけが必要とされる傾向にあります。
もちろん、これは日本だけに限らないと思いますが、現代社会にアスペルガー症候群の人は溶け込むのは難しくなっていると思います。
嘲笑用語としての『アスペ』
少しでも空気を読めない、周囲とは異なる雰囲気を醸し出してしまうと、多数派から嘲笑の意味で『アスペ』という語を以ってあだ名にされてしまいます。
それほど、理解はされていない(理解するのが難しい)、脳の障害が、アスペルガー症候群です。
具体的な対処方法
【対処方法1】 言葉で褒めるのをやめ、代わりにできたよ!日記帳を作成
言葉で褒める、という選択肢が失われています。
本人が自己肯定感を高めるためにできることは視覚に訴えることです。
日記帳に1日の出来事のうち、特に頑張れたことに関して思い出しながらスタンプを押します。
1日の終わりに、些細な“よくできた”出来事を具体的に挙げながらスタンプを押します。
- 宿題をこなせたこと
- お手伝いで済ませたこと
- 自分から挨拶できたこと
- 怒りを爆発させなかったこと
などなど。
このスタンプの記録は、とても素直に受け止められ、今日よりも明日がんばろうかなと少し考えられます。。
耳から入る褒め言葉に、思考のフィルターが反応してしまい『なぜ褒めるの❓』と深読みし、防衛本能からか『これは、叱られる前の布石、褒め言葉と受け取ってはいけない』と考えてしまうのかもしれません。
その一方で、目から入る情報は、思考のフィルターを通さずに済むためか、素直に受け取ることができます。
本人の自己肯定感も少しずつ上昇に向かっているように思います。
親も、子どもたちの良いところを探す努力ができるので助けになっています。
【対処方法2】 叱られたり、褒められたりしたらまず最初に何を言うのか、決めておきます
叱られたり、褒められたりしたらどうするのか、をあらかじめ話し合って決めました。
シンプルなルールで、
「叱られたら、はいと言おう!」といい、
「褒められたら、ありがとうと言おう!」ということです。
叱られる場面では
指摘されていたらまず最初に口をついて出てくるのは『違う❗️』という言葉でした。
(確かにたまに指摘自体が間違っている場合もあります。その場合は直ちに指摘を取り消して謝ります。)
例外的状況を除いて、指摘された時にすぐに『はい』と従うことができることがルールです。
長年身についた癖なので調整が難しいです。
そこで、指摘の仕方自体を工夫しなければなりません。
具体的には
『こういう考え方(やり方も)あるんだね。でも、』と
他にも、
『早く◯◯しなさい❗️』 → 『今やろうとしていたのに❗️』 → 『どうして×●◇△💢』
(さらに互いに負の感情が続く…)
を改めて、
『早く◯◯しなさい❗️』 → 『今やろうとしていたのに❗️』 → 『同じタイミングで同じこと考えてたのね!😀。よかった、早く進められるから◯◯ができそうだね(◯◯は楽しめる何か)』
(負の感情を消し去る)
褒められる場面では
ほめられたらまず最初に口をついて出てくるのは、自分を否定する言葉か逃げることしかできませんでした。
具体的には
今後は、まず「ありがとう」を言うルールです。
まだ恥ずかしさが先行することが多々ありますが、少しずつ効果を挙げてきています。
反射的に「ありがとう」と言えるようになるまで、たくさん褒められる機会を作っていきたいです。
これもまた、
家族総出でのトレーニング🏃🏻🌬
あなたのことを認めている、というメッセージを本人が理解できるように伝える必要があります。
信頼感増加・ストレス緩和する脳内物質
自己否定は、自分に対する信頼、他の人に対する信頼が欠如していることに起因しているかもしれません。
注目されている脳内物質・オキシトシン。自律神経を整え、ストレスを軽減させるというオキシトシンの働きについて、以下の書籍で詳しく取り上げられています。
アスペルガーな言動(否定的な反応編)と対処方法のまとめ
- まず否定から始まります。コミュニケーションの腰が折れそうになります。毎日続きます。
- 褒めても、その反応は否定的。原因は脳の障害です。防衛本能が働いているようです。
- 疲れることもありますが、対応は可能です。鍵は肯定感を養うことです。
- 【対処方法1】 言葉で褒めるのをやめ、代わりにできたよ!日記帳を作成
- 【対処方法2】 叱られたり、褒められたりしたらまず最初に何を言うのか、決めておきます
- あなたのことを認めているいる、というメッセージを本人に伝える必要があります。
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