出遅中と書きましたが、進んではいると思います。ただし、他の先進国と比べて出遅れ感はあります。
2017年3月に公示された新学習指導要領によると、「情報活用能力」や「ICTを学習で活用する力」を身につけるべきという方針が明らかになっています。
2020年度から順次始まる新学習指導要領によると、プログラミング体験の導入が示され、ICT環境の整備が求められることになっています。
デジタルと紙ではそれぞれの良さがあって、一部をクリップして発表するとか、拡大して表示するとかいった部分ではデジタルの方が優れています。
ICTは学習の基盤に
今までは、教科の学習の一環としてICTを学んでいたのが、今後は学習の基盤としてICTが使われるようになります。
アクティブラーニングにも
例えば子供たちが自ら調べたり発表したりするアクティブラーニングが注目されていますが、この学習スタイルはICTを使えなかったら成り立ちません。
現状は6.2人に1台
文部科学省の統計によると、教育用コンピュータ1台当たり児童生徒数は6.2人に1台となっています。
国が掲げている学習者用PCの整備目標は「3.6人に1台」ですが、実際は2016年3月時点で「6.2人に1台」です。
目標をとっくにクリアしている自治体もあれば、まだ「20人に1台」という自治体もあります。
ICT整備を担うのはそれぞれの自治体のため、自治体の財務状況によってICTの学習環境が変わってきます。
自治体がどれほどICTに力を入れているかどうかを比較できます
平成27年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(市区町村別)
ご自身の自治体はいかがでしょうか。結構格差があります。
北海道から愛知まで (PDF:2848KB)
三重県から沖縄県まで (PDF:2703KB)
全国市区町村別一覧表 (PDF:454KB)
校内のLANの普及率はまだまだのようです。
愛知県の例
京都府の例
地方都市の教育環境はまだまだのようです。
徳島県の例
田舎だと、もともと生徒数が少ないので目標に到達しやすいのかもしれません。
海外はというと
日本の公立学校は、教えるためのICT活用という第一段階の時点で、先進国に比べるとずいぶん後れを取りました。
例えばイングランドで電子黒板が全ての教室に導入されたのは2000年代の前半でした。
韓国でも2005年前後には大型ディスプレイが全教室に設置されたと言われています。
東京23区でICT教育に力を入れている自治体
日本全体で遅れをとっているものの、東京23区の小中学校では、ICTの導入が進んでいます。
23区のうち、
- 千代田区
- 新宿区
- 江東区
- 杉並区
- 渋谷区
は、今年度予算にパソコンやタブレット端末の導入費用を計上しています。
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渋谷区はすごい
渋谷区は今年度、ICT教育関連の事業費として7億8,200万円の予算を確保しています。
児童・生徒・教職員に貸与するタブレット端末と、データ通信用のSIMカードが8,600台分。
それに加え、電子黒板機能付きプロジェクターなどの機器や、教職員の業務負担を減らすための統合型校務支援システムの導入費用などが挙げられています。
これらを一斉に導入することにより、渋谷区内の児童・生徒・教職員1人につき1台の端末が行き渡ることになり、授業時間内のみならず、端末を自宅に持ち帰って利用することも可能になるそうです。
スタディサプリという教材の導入後にテストの得点が平均20点上がったという結果もあるそうです。
日本のICT環境のまとめ
- 2020年以降は、ICTが基盤となる教育環境となることが予想されています。試験的に導入されている学校では成績の向上が観察されています。
- 海外の教育先進国と比べると遅れをとっています。旧来の座学学習がしばらく続きそうです。
- 自治体の予算に頼っているところがあり、自治体間で格差が生じています。
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